Salesforceで在庫管理・帳票出力はできる?販売業の二重管理を解消する方法
はじめに
Salesforceは顧客管理や営業支援に優れたツールですが、販売業においては在庫管理や帳票出力といった業務にも対応する必要があります。しかし、Salesforceの標準機能ではこれらの業務を完全にカバーすることが難しく、従来使っていた販売管理システムとSalesforceの2重運用になるケースが散見されます。しかし、これらの2重運用は思っている以上のデメリットが存在します。
- データを各システムに2度打ちすることになり、無駄な工数や現場の疲弊が発生する
- 販売管理システムとSalesforceのデータが一致しなくなる
- Salesforceを導入したが、現場で運用が進まない
ひとつずつ解説していきます。
1. データの2度打ちによる非効率
2つのシステムを使用することになるので、重要な値は各システムに打ち込まなければなりません、特に商談の金額や受注した日付などは、解析や会計にも影響するため特に気をつけなければなりません。今まで販売管理システムで運用してきた会社がSalesforceを導入すると、現場では今までの作業にプラスαの業務が追加されたように感じてしまい、現場での疲弊が発生しやすくなります。
2. 販売管理システムとSalesforceのデータ一致
販売管理システムとSalesforceで同じ値を打ち込みますが、データ責任者などを設けてデータの一致性を保証しない限り、データが一致していることを保証することは困難です。特に商談のClose間際の交渉で、値引きや受注日程を調整した場合、受注作業が慌ただしくなり、Salesforceの更新が疎かになってしまうケースが散見されます。多くの案件を扱う中で各営業員が完璧な作業を行うことは難しいでしょう。
3. Salesforceの運用が進まない
1で説明した通り、現場では余計な仕事を増やされたと感じてしまい、作業に疲弊してしまう。2で説明した通り、さらにデータの精度が落ちてしまうという悪循環が発生します。もちろんSalesforceは営業を科学し、売上を向上させる素晴らしいツールですので、運営管理者や導入管理者は何とか運用を前に進めようと頑張りますが、その導入サイドの運用推進と現場サイドの反発でますます軋轢が生まれてしまい、結果運用が思うように進まない事態が発生します。また、下記の図をご覧ください。
Salesforceと販売管理システムを2重で運用するとパラレル型の業務フローとなり、乱暴な言い方をすると現場サイドではSalesforceを触らなくても業務が回ってしまい、ますます悪循環に陥る可能性があります。
上記の問題を放置すると下記のような問題に発展します
1. データの整合性が取れない状態になってしまう
2. データが各システムに分散し、データ解析でExcelなどを駆使する必要が出てくる
3. 信頼できるデータでは無くなり、経営層がSalesforceのデータを見なくなる(販売管理システムのデータは会計に繋がっているため、そちらを優先するようになる)
解決策
ズバリ一番手っ取り早いのは、「販売管理システムをSalesforceに統合し、Salesforceのみでシステムを完結させる」です。ではどのようにシステムを統合すればいいのでしょうか。
1. Salesforceのパートナーに相談する
Salesforceの営業さんとSalesforceの導入について商談を進めていくと、自社の課題やお悩みをヒアリングして、最適な提案をいただけると思います。その際Salesforceのカスタマイズが必要になると開発能力を持ったパートナーさんを紹介いただけます、パートナーさんはフルスクラッチで自社のニーズに応えるカスタマイズを行なってくれます。要件定義書をきちっとまとめ、自社の要望を正確に伝えることができれば、時間やコストはかかりますが、自社のオーダーメードのSalesforce環境を手に入れることができます。
2. 自力開発を行う
Salesforceはそのカスタマイズ性の高さも素晴らしいシステムです、各社規模は様々ですが、自社でカスタマイズは行なっています。ノーコードからコードを書くプログラムまで、ユーザー自身でカスタマイズ可能となっており、この懐の広さはSalesforceの大きな魅力です。カスタマイズ方法を学ぶTrailheadという学習環境も用意されており、ほぼ全てのカスタマイズ方法はネットを検索すればドキュメントが見つかるようになっています。社内にプログラムが得意だったり興味のあるメンバーがいれば、頑張り次第でどこまでも作り込んでいけます。
3. AppExchangeでアプリを探す
SalesforceにはAppExchangeという世界最大のビジネスアプリストアがあります。(iPhoneのApp Storeのようなものです)ここでは様々な機能をSalesforceにアドオン出来るようアプリが販売されています。販売業のお客様は「ERP」や「帳票」といったキーワードで調べると様々なアプリに出会うことができるでしょう。
ご紹介:販売業のお客様へ向けたSalesforceアプリのご案内
さてここまで記事をお読みいただきありがとうございます、ここから弊社の開発した「ERP Platform for Salesforce」のご紹介をさせてください。
今記事を書いている私は、Salesforceに出会って11年、ユーザー・マネージャー・そして現在は経営者としてSalesforceを使用し、ユーザーから見たSalesforceや運営サイドの苦悩・苦労も全て味わってきました。
11年前Salesforceに出会った時、初めて営業の仕事を始めSalesfroceに出会い、営業を科学する事で面白いように結果が出たのが衝撃で、起業の際、最初にお金を使ったのもSalesforceだったのを鮮明に覚えています。
起業して5年、販売業を営む中でずっとシステムの2重運用に非効率さを感じ、問題を解決するためAppExchangeでアプリを探しましたが、満足のいくアプリを見つけられず。次にパートナーさんに相談しアプリ開発を試みましたが、忙しい中で完璧な要件書を書くことが難しく、やはり最後まで満足のいくシステムにするのは難しかったです。最後に辿り着いたのが自力開発の道です。もともとプログラム関係は好きだったこともあり、丸々1年かかりましたが、満足のいくアプリの開発が完了しました。さらに同じ悩みを持つ方は必ず居るはずだ!と思い立ち、開発したアプリをAppExchangeで販売することを決定、運用サポートと共にお客様の課題解決を進めています。
ERP Platform for Salesforceは在庫管理と注文・見積・納品・請求・返還請求書といった基本的な帳票出力、仕訳の自動作成などを盛り込んだ販売業向けのオールインワンパッケージです。ご興味いただけましたら下記リンクよりさらに詳細なご紹介ページをご覧ください。
https://www.factoryinnovation.co.jp/ERP_Introduction
弊社では、今後もSalesforceのコラムを発信していきます、お悩みや題材にしたいテーマなどありましたらご意見・ご要望も募集しております。