Salesforceで売上アップの第一歩:商談フェーズ設定ガイドとフォーキャスト

はじめに

Salesforceを活用して売上を安定的に伸ばすには、単に新規顧客を獲得するだけでなく、既存商談の進捗を可視化し、予測精度を高めることが重要です。本記事では、Salesforceの「商談フェーズ設定」とフォーキャストという概念を中心に、売上アップの第一歩を解説します。これらの設定を適切に行うことで、商談管理から戦略的な営業アクションへスムーズに移行できるようになります。

商談フェーズの設定の重要性

Salesforceでは標準で商談オブジェクトに「フェーズ」という項目が用意されています。

Salesforceをインストールしたままの初期状態で上記のようになっている部分です。これらを「自社の商品・サービスを顧客が購入決定するまでに、どのようなプロセスを踏む必要があるか」という観点でカスタマイズし、運用します。

Salesforceを導入したが、売上の向上効果が得られていない組織でまずチェックするべきは商談フェーズの設定と運用です、効果が得られていない組織でよく見る光景は下記です。

商談フェーズが「コンタクト」などの最初の値からいきなり「クローズ」に変更されている。

上記が何を意味しているかというと。

  1. 商談のフェーズ管理の重要性が組織レベルで理解されていない
  2. フェーズの各ステップで行う活動が明確になっていない
  3. 次のフェーズへ移行するための基準が明確になっていない
  4. 営業員が独自のセールスを展開している

このような組織で起きていることを予想すると下記になります。

売上の大半を支えているセールスエースが活躍している

悪いことのようではありませんが、組織としては問題があります。まず「なぜその人しか売れないのか?」同じ商品を同じ会社の名前で売っているのになぜその人しか売れないのでしょう、この質問を投げかけると返ってくる言葉は「センス・才能」といったキーワードです、センスや才能のある人材を確保できていることは素晴らしいことですが、これに頼るということは、今後もそのような人材を確保し続けなければならないということです。センスや才能で売っている営業はその「センスや才能」といった部分を後輩や部下に伝授できず、組織全体として営業組織が成長することができなくなります。

Salesforceは営業を科学して売上を向上することができるツールですので、文字通り営業を「センスや才能」ではなく「科学の法則や式」のように変換することが重要です。そのためのツールが商談フェーズです。

商談フェーズの設定

ではどのように商談フェーズを設定するかをご説明していきます。

Step1:セールスプロセスの文書化

セールスプロセスを文字に書き起こします。

Excelでもメモ帳でもなんでも構いませんので、自社のセールスプロセスを文書化します。この時にセールスエースに日頃「どんな質問をしているか?・どのようなお客様の反応を見ているか?」など具体的にヒアリングし、自社の営業プロセスを書き起こしましょう。(言葉にすることでセールスエース自身も気付きがあるはずです)

下記の点を必ず盛り込みましょう

  1. 各フェーズでの質問例
  2. 各フェーズで行うべきアクション
  3. 次のフェーズへ進むために必要な要件

Step2:商談画面への設定

出典: Salesforceブログ(https://www.salesforce.com/jp/blog/jp-what-is-great-about-salesforce/)

商談のフェーズを管理する「パス」には成功へのガイダンスという機能があり、これを設定すれば先ほど文書化した内容をSalesforceの商談画面でいつでも確認しながら営業活動を行えるようになります。営業員全員が同じセールスプロセスに則った活動をすることで、営業組織全体の成長と実績向上が行えます。

Step3:周知徹底と運用

決定した商談フェーズ管理の重要性と各フェーズでのアクションを全営業に周知し運用を開始します。(運用も色々と難しいことがあるのですが、それはまた別の記事でご説明しようと思います)

Step4:結果の分析と改善

数ヶ月運用をするとだいぶデータも溜まってくるかと思います、どのフェーズでの停滞日数が多いのか、どのフェーズで失注することが多いのか、また逆にどのようなパターンになるとスムーズに受注の進めるのかなどを分析し、質問例やアクション、次のフェーズへの移行要件を見直し継続的に改善を行っていきます。

上記4ステップを行うことでSalesforceの本領が発揮されていくことでしょう。

さて、商談フェーズの設定と運用を行うと、営業組織の強化だけではなくもう1つの大きなメリットが手に入ります。それがフォーキャストです、次はフォーキャストについてご説明していきます。

弊社ファクトリーイノベーション株式会社では、販売業の在庫管理や帳票出力をSalesforce上で可能にするアプリ「ERP Platform for Salesforce」の開発と販売を行っています。それと共に企業でのSalesforce活用支援や伴走支援も行っております。ここまでご説明した内容をもっと詳しく知りたい・実際に設定してほしいなど、ご不明点やご質問などあれば下記リンクよりお気軽にご連絡ください。

https://www.factoryinnovation.co.jp/ERP_Introduction

フォーキャストとは何か

フォーキャスト(Forecast)とは直訳すると「予報」という言葉です、Wether forecastとするとみなさまよくご存知の「天気予報」になります。下記3枚の画像をご覧ください。

朝出勤する時をご想像ください、左の画像のような空模様の日は傘を持って出かけます、真ん中のような日は傘を持たず出かけるでしょう。しかし最近は右の画像のようなゲリラ豪雨に襲われる日も珍しくありません。現代では天気予報アプリなどをスマートフォンにインストールしていれば、ゲリラ豪雨が来る数十分前には通知が来て、たとえ傘を持っていなくても建物などに避難して雨を回避することも可能です。

少々話がそれましたが企業活動も全く同じと考えています、「Forecastを見ない経営は天気予報を見ずに外を歩くようなもの」で、売り上げが下がってからの対策しかできません。常にForecastを見ていれば売り上げ低下を事前に予想でき、マーケティング予算を増やす・展示会に出展する・キャンペーンを展開するなど、売り上げ低下が起きる前に対策を打つことができるようになります。

左の画像のような状況になってから対策を打つより、事前対策を行い右の画像のような嵐を回避することのほうがはるかに重要です。

商談のフェーズ管理が行われていると売上予想が立つようになります、運用のレベル(フォーキャスト精度)が高いほどに翌月、翌四半期、当会計年度レベルで分かるようになっています。予測が立つということは事前に対策できるということになりますので、売上の安定性を向上させSalesforceの導入効果をさらに高めることができるようになります。

正確な予想を手に入れるために重要なこと

  1. 各営業員の正しいフェーズ管理
  2. 商談のモニタリング・教育・数字日程管理
  3. セールスフェーズ(プロセス)の見直し
  4. そしてフォーキャストが悪い時には売上対策

さて、余談ですが上記4つの仕事は一体誰の仕事でしょう。そう営業マネージャーが行う仕事です、日本の営業組織では営業マネージャーというより、自分でも売るプレイングマネージャーのような営業マネージャーが多いように思いますが、上記4つの仕事をきっちりこなそうと思ったら、「自分で売ってる場合じゃないですよね」とよくマネージャーさんや経営者さんとお話ししており、納得いただいております。

最後に弊社のご紹介

さてここまで記事をお読みいただきありがとうございます、少しだけ弊社のご紹介をさせてください。

今記事を書いている私は、Salesforceに出会って11年、ユーザー・マネージャー・そして現在は経営者としてSalesforceを使用し、ユーザーから見たSalesforceや運営サイドの苦悩・苦労も全て味わってきました。

11年前Salesforceに出会った時、初めて営業の仕事を始めSalesfroceに出会い、営業を科学する事で面白いように結果が出たのが衝撃で、起業の際、最初にお金を使ったのもSalesforceだったのを鮮明に覚えています。

ERP Platform for Salesforceの開発と販売

起業して5年、販売業を営む中でSalesforceと在庫システムや見積システムといったシステムの2重運用に非効率さを感ていました。問題を解決するためAppExchangeでアプリを探しましたが、満足のいくアプリを見つけられず。次にパートナーさんに相談しアプリ開発を試みましたが、忙しい中で完璧な要件書を書くことが難しく、やはり最後まで満足のいくシステムにするのは難しかったです。最後に辿り着いたのが自力開発の道です。もともとプログラム関係は好きだったこともあり、丸々1年かかりましたが、満足のいくアプリの開発が完了しました。さらに同じ悩みを持つ方は必ず居るはずだ!と思い立ち、開発したアプリをAppExchangeで販売することを決定、運用サポートと共にお客様の課題解決を進めています。

ERP Platform for Salesforceは在庫管理と注文・見積・納品・請求・返還請求書といった基本的な帳票出力、仕訳の自動作成などを盛り込んだ販売業向けのオールインワンパッケージです。ご興味いただけましたら下記リンクよりさらに詳細なご紹介ページをご覧ください。

またアプリの販売と共に企業でのSalesforce活用支援や伴走支援も行っております。ここまでご説明した内容をもっと詳しく知りたい・実際に設定してほしいなど、ご不明点やご質問などあれば下記リンクよりお気軽にご連絡ください。

https://www.factoryinnovation.co.jp/ERP_Introduction




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