
はじめに
建築現場や不動産、工場の設備点検など、3Dデータの活用は今や当たり前になりつつあります。
しかし、「高精度なレーザースキャナーは高価で扱いが難しい」「360°カメラは簡単だけれど精度が物足りない」——そんな声をよく耳にします。
その“ちょうどその間”を埋める存在が Matterport Pro3 です。
軽量で持ち運びができ、誰でも簡単に高精度な3Dモデルを作成できるPro3は、多くの業界で注目を集めています。
Matterport Pro3とは?
Matterport社が提供する次世代の地上型3Dスキャナーで、建築・不動産・施設管理・観光分野など幅広く活用されています。
Matterport Pro3のスペック要約
精度:±20mm
測定範囲:最大100m(E57点群エクスポート時)
価格:100万円台〜(本体+サブスクリプション)
用途:建築現場のBIM化、不動産内覧、工場点検、文化財保存、観光施設のデジタル化
「誰でも使える」「現場でサッと活用できる」点が最大の魅力です。
Matterport Pro3の特長
1. 屋外でも使えるスキャン性能
従来モデル(Pro2)は屋外撮影が苦手でしたが、Pro3は太陽光の下でも安定して撮影できます。
また、半径100mのLiDAR測定範囲を持ち、広い現場や外構の撮影にも対応可能です。
2.高画質パノラマ写真
通常の地上型3Dレーザースキャナーと異なり、超高画質のパノラマ写真の中を歩けるウォークスルービューでの表現が可能です。
これにより「3Dデータや点群データに馴染みのない人」でも簡単にデジタルツイン空間にアクセスできるようになっています。
3. 高精度 × 高速
1スキャンあたり約20秒というスピードながら、cm単位の精度で点群データを取得できます。
「速さ」と「正確さ」を両立することで、現場の効率を大幅に改善できます。
4. 軽量 & ポータブル
わずか約2.2kgという軽さで、現場を移動しながらの撮影もラクラク。
従来の大型レーザースキャナーと比べ、設置や持ち運びの負担が格段に減りました。
5. 活用シーンの広さ
建築業界:図面のない建物をBIM化
不動産業界:オンライン内覧で営業効率を向上
工場・プラント:点検・修繕のDX推進
文化財保護:歴史的建築物をデジタルアーカイブ化
投資対効果(ROI)は?
Matterport Pro3は2025年8月現在、200万円を切る市場価格です。
下記のような作業が多い企業は 数ヶ月〜1年で投資を回収 できるケースが少なくありません。
現場測量の時間短縮:人手と日数を大幅に削減
移動コスト削減:現場に行かずにオンラインで確認可能
営業効率向上:不動産内覧や施設案内をWeb化し、リード数アップ
導入企業の多くが「コスト削減」と「売上増加」の両面で効果を実感しています。
高精度3Dレーザースキャナーと比較してどっちがいいの?
3Dスキャニングを検討する際、多くの方が「高精度レーザースキャナーとPro3、どちらが適しているのか?」と迷われます。
高精度レーザースキャナー(FARO、Leicaなど)が向いているケース
国土測量や大規模土木工事
ミリ単位の精度が必須な現場
長距離(数百メートル以上)のスキャンが必要なプロジェクト
Matterport Pro3が向いているケース
建築現場の進捗管理や改修工事のBIM化
不動産内覧や施設紹介など、顧客に「見せる」ための3Dデータ
工場やプラントの保守点検を効率化したい場合
観光施設・文化財のデジタル化やオンライン体験の提供
👉 まとめると
精度最優先なら高精度レーザースキャナー
手軽さ・コスト・活用シーンの広さならMatterport Pro3
多くの企業は「測量用途にはレーザースキャナー」「日常業務や共有用途にはPro3」と併用しており、Pro3は“最初の一台”として最適な選択肢です。
各業界での具体的な活用シーン
建築業界
既存建物の正確なスキャンからBIMモデルを作成し、改修計画に活用
工事進捗を3Dデータで記録・共有し、設計者・施主・施工者の認識を統一
完成後のデジタルツインを残し、維持管理資料として活用
土木建設業界
道路や橋梁、トンネルなど屋外インフラの形状を正確にスキャン
工事前後の比較を3Dで可視化し、施工品質や安全管理を支援
重機搬入エリアの寸法確認や安全計画のシミュレーション
商業不動産
オフィス・店舗・商業施設のバーチャル内覧を提供し、来訪前の検討を促進
テナント入居時に3Dモデルを提供し、レイアウト計画や内装工事の打合せを効率化
管理会社が複数物件をデジタルで一元管理し、遠隔で物件確認が可能に
観光・ホスピタリティ産業
ホテルや旅館、観光施設を3Dで公開し、遠方からでもリアルに体験できる予約導線を構築
歴史的建造物や文化財をデジタルアーカイブ化し、保存と観光資源としての活用を両立
展示会場やイベントスペースを3Dで紹介し、下見・集客を効率化
点群データは取得できるの?
できます。Matterport Pro3は、360°パノラマ撮影だけでなく 点群データの出力にも対応 しています。
出力形式:E57形式(業界標準フォーマット)
用途:BIMソフトやCADソフトに取り込み可能
メリット:測量・設計・施工管理に直接活用できる
これにより、建築・土木・設備管理など「設計・施工の現場で使える3Dデータ」が得られるため、ビジュアル資料だけでなく、実務データとしての価値も高まります。
Pro3の同梱品は?
下の写真の通り、Matterport Pro3はパフォーマンスキットとして販売されており、撮影に必要な部品が揃っています。
Matterport Pro3パフォーマンスキットの同梱物
・Pro3カメラ本体
・キャリーケース
・バッテリー×2
・充電キット
・専用雲台
・専用三脚
・三脚台車 (ドーリー)
・バックパック
・ハードケース
・ドアストップ×2
・1年間保証付き (Pro3)
他に必要なものは?
Pro3カメラ以外に下記のものが必要です。
- タブレットまたはスマートフォン
スペックの高いタブレット(またはスマートフォン)ほど、多くのスキャンポイントを高速に結合できます。iPad ProまたはiPad Airの現行機種がお勧めです。
なお、デバイス内のストレージはさほど必要ありません。なぜなら撮影データは一旦アップロードするとクラウド上に保管されるため、追加撮影を行いたい時は、クラウド上からジョブをダウンロードして再度追加撮影が行えるようになっているためです。 - 操作用アプリ
Appleストア、Google Playから無料でダウンロードできます。 - クラウド(サブスクリプション)契約
Matterportの撮影データは必ず専用のクラウドにアップロードされ処理されます。
さらに、データの閲覧、編集、共有もクラウド上で行うため、Matterportを使い続けるにはサブスクリプション契約(月額・年額)が必須となります。
クラウド契約を終了した後も撮影したデータを使い続けたい、またはオンプレミスで利用したい場合は点群データやパノラマ写真のダウンロードが可能になっていますが、Matterport上で表現される滑らかで軽快な写真表示は期待できないので注意が必要です。
まとめ
Matterport Pro3は、
屋外でも使える
軽くて持ち運びやすい
高精度で多用途
という特長を持ち、建築・土木建設・商業不動産・観光ホスピタリティなど、多くの分野で活躍する次世代カメラです。
「高精度レーザースキャナー」との比較でも、コスト・使いやすさ・共有しやすさという観点から、多くの現場でPro3が選ばれています。
もし「自社の業務に使えるか知りたい」「価格や導入サポートについて詳しく聞きたい」と思われた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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記事を書いた人皆川要
外資系3次元測定器メーカーFAROにて法人営業を担当後、3Dソリューション営業の経験と知識を活かし、ファクトリー・イノベーション株式会社を設立。建設業・製造業・不動産などのDXを具体的な形で提案しています。