来場しなくても魅力が伝わる時代へ〜小売・観光・教育PRがMatterportで「体験」をオンライン化する理由〜

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目次

消費者は「行く前」に決断している


「Webサイトを見て来店したけれど、期待と違った」「写真だけで予約したホテル、行ってみたらイメージと違った」——このような経験は、現代の消費者にとって決して珍しいものではありません。

私たちは今、何かを購買したり、訪問したりする前に、スマートフォンの画面を通して膨大な情報を精査しています。レストランの予約前には複数のサイトで口コミを確認し、店舗を訪れる前にはSNSで実際の雰囲気をチェックし、旅行の計画を立てる際には何時間もかけてホテルの写真を見比べます。しかし、どれだけ美しい写真や動画を見ても、埋められないギャップが存在します。それは、「その場所に身を置いたときの感覚」です。

顧客の意思決定プロセスは劇的に変化しました。もはや「とりあえず行ってみる」時代ではなく、「オンラインで体験し、納得してから行く」時代なのです。この変化は、企業のマーケティング戦略にも根本的な見直しを迫っています。

Matterportとは?

Matterport(マーターポート)は、現実世界にある空間を丸ごとデジタル化し、まるでその場にいるかのようなバーチャル体験を提供する革新的な3Dスキャン技術です。これは単なるパノラマ写真や動画とは異なり、空間のあらゆる詳細を正確な3Dデータとして再現します。

1️⃣様々カメラとAIでバーチャル空間を作成

Matterportは、専用の高精度3Dカメラと先進のAI技術を組み合わせることで機能します。カメラが空間の各所を撮影し、その画像データと深度情報をAIが瞬時に解析。これにより、壁や家具、備品の一つひとつまで忠実に再現されたデジタルツイン(仮想空間)が生成されます。


2️⃣3Dデータで詳細な空間再現

単なる平坦な画像ではなく、空間全体を奥行きのある3Dデータとして再構築するため、ユーザーは広さや天井の高さ、物と物との距離感など、リアルな物理情報をオンラインで確認できます。この精度が、訪問前の「期待とのギャップ」を解消する鍵となります。


3️⃣360度自由なバーチャル移動と確認

生成された3D空間は、Webブラウザやスマートフォンから簡単にアクセスでき、ユーザーはまるで自分がそこにいるかのように自由に移動し、360度あらゆる角度から空間内を探索できます。クリック一つで部屋から部屋へ移動したり、天井を見上げたり、細部を拡大したりと、自分だけのペースで体験可能です。

この技術は、従来の写真や動画では決して伝えられなかった「空間の体験」をオンラインで提供し、顧客の意思決定を強力にサポートする新たなスタンダードを築いています。

なぜ今、「写真と動画」だけでは足りないのか?


課題1️⃣情報の受動性

動画は見せたい場面しか見せられず、ユーザーが本当に見たい場所を自由に確認することができません。制作側の意図した順序でしか情報を得られないという制約があります。


課題2️⃣空間の連続性の欠如

「エントランスから奥の売場までどう繋がっているのか」「客室から大浴場までの距離感はどうか」といった、空間の全体像や動線が伝わりません。


課題3️⃣スケール感の不明確さ

写真では部屋の広さや天井の高さ、什器の配置など、実際のサイズ感を正確に伝えることが困難です。結果として、訪問時のギャップが生まれやすくなります。

従来のWebプロモーションでは、切り取られた美しい「静止画」や、演出された「動画」が主役でした。しかし、これらには上記のような決定的な弱点があります。Matterportは、Web上でユーザーが自由に歩き回り、360度見渡せる「能動的な体験」を提供することで、これらの課題を一挙に解決します。ユーザー自身が探索の主導権を持つことで、より深い理解と強い納得感が生まれるのです。


業界別活用シーン

Matterportは、様々な業界で革新的な成果を上げています。それぞれの業界が抱える固有の課題に対して、3D空間体験がどのように解決策を提供しているのか、具体的な活用事例とともにご紹介します。

小売・商業施設 - 店舗の回遊体験をオンラインで届け、来店前のワクワク感を創出します

ホテル・観光 - 滞在イメージを具体化し、予約の決め手となる確信を提供します

教育機関 - キャンパスライフを可視化し、志願者の不安を解消します


小売・商業施設:「回遊体験」を届ける

来店意欲を刺激する新しいアプローチ

ECサイトの利便性が高まる中で、リアル店舗に求められるのは「偶発的な発見」や「買い物の楽しさ」です。オンラインショッピングでは得られない、実際に店内を歩きながら思いがけない商品に出会う喜び、季節ごとに変わるディスプレイの魅力、店舗全体が醸し出す雰囲気——これらの体験価値をいかにオンラインで伝えるかが、現代の小売業にとって重要な課題となっています。

従来の課題

商品単体のスペックや価格情報はECサイトで十分に提供できますが、店舗の「ワクワク感」やシーズナルな売場の魅力、商品の配置や組み合わせ提案が伝わらず、来店動機が弱まっていました。特に遠方の顧客や初めて訪れる顧客にとって、店舗の全体像を把握することが困難でした。

Matterportの効果

店舗全体を「バーチャルストア」として公開することで、ユーザーは自身のペースで店内を自由に回遊できます。「こんなコーナーもあったのか」「この雰囲気なら行ってみたい」という発見を楽しめるのです。また、空間内の商品にリンクを埋め込むことで、そのままEC購入へ誘導するOMO(Online Merges with Offline)施策としても機能します。来店前に店内レイアウトを把握できることで、効率的な買い物計画も立てられます。


ホテル・観光:「滞在」を想像させる

予約の決め手を作る確信の提供

旅行や宿泊は、失敗したくないという心理が強く働く高額消費です。「泊まってみないとわからない」という不確実性は、もはや顧客にとってリスクでしかありません。特にインターネット経由での予約が主流となった現代において、写真だけでは伝えきれない情報の重要性が増しています。


1️⃣情報収集段階

従来の写真では実際の部屋の広さや窓からの眺望、館内の静謐な空気感が伝わらず、複数のホテルを比較する際の決め手に欠けていました。


2️⃣予約検討段階

Matterportの「ドールハウスビュー」で施設全体を俯瞰し、そこから実際に歩くように客室やラウンジを確認できる体験は、ゲストに強い安心感を与えます。


3️⃣予約決定

「思った通りの素敵な場所だった」という事前の確信が、予約率(コンバージョン)を劇的に向上させます。特にインバウンド客への多言語案内とも相性抜群です。


4️⃣滞在中の満足度

事前に空間を十分に確認していることで、到着時の期待とのギャップが最小化され、顧客満足度が向上します。

ホテル業界での具体的な成果

実際にMatterportを導入したホテルでは、予約率が導入前と比較して平均2.3倍に向上しました。また、事前に施設の詳細を確認できることで、顧客からの問い合わせ件数は約半数に減少し、スタッフの業務効率も大幅に改善されています。さらに重要なのは、期待とのギャップが少なくなることで、顧客満足度が著しく向上し、リピート率や口コミ評価の改善にもつながっている点です。


教育機関:「キャンパスライフ」を可視化

出典:St Joseph’s College

志願者の不安を解消する体験型広報

少子化が進む中、学校選びは「偏差値」だけでなく「環境」や「校風」とのマッチングが重視されています。学生や保護者は、単に教育内容の質だけでなく、日々の学生生活を送る環境そのものを重要な判断基準としているのです。


1️⃣遠隔地の学生へのアプローチ

地方在住の学生や海外からの留学希望者にとって、オープンキャンパスへの参加は時間的・経済的な負担が大きな障壁となっていました。バーチャルキャンパスツアーにより、世界中どこからでも施設を詳細に確認できます。


2️⃣24時間365日の情報提供

開催日が限られるオープンキャンパスと異なり、Matterportによるバーチャルツアーは時間や場所の制約なく、志願者が好きなタイミングで何度でも確認できます。家族全員で一緒に見ながら相談することも可能です。


3️⃣具体的な学生生活のイメージ化

図書館の蔵書量や研究室の設備、カフェテリアの雰囲気をリアルに体験させることで、入学後の生活を具体的にイメージさせ、志願意欲を高めます。「ここで学びたい」という強い動機形成につながります。


教育機関での多様な活用シーン

学習環境の可視化

  • 最新の実験設備や研究機器の詳細確認
  • アクティブラーニング対応の教室設計
  • 図書館の学習スペースや蔵書の充実度
  • ICT環境やデジタル設備の整備状況

生活環境の紹介

  • 学生寮や食堂の実際の雰囲気
  • スポーツ施設やクラブ活動の拠点
  • キャンパス内の動線や各施設の位置関係
  • 学生が日常的に利用する憩いのスペース

特に理系学部や芸術系学部など、専門的な設備が重要な判断材料となる分野では、Matterportの導入効果が顕著です。志願者数の増加だけでなく、入学後のミスマッチによる退学率の低下にも貢献しています。

プロモーションを超えた副次的効果

Matterportの導入は、集客・PRといったマーケティング活動だけでなく、組織全体の業務効率化や資産管理にも大きく貢献します。初期投資以上の多面的な価値を生み出す、戦略的なデジタル資産となるのです。


1️⃣下見・案内業務の削減

イベント主催者やブライダル顧客への会場案内、テナント出店検討者への区画案内などを、URL一つで代替可能に。成約前の移動コストや人件費を大幅に削減できます。


2️⃣デジタルアーカイブ

季節限定のVMD(売場演出)、改修前の歴史的建造物、イベント時の会場レイアウトなどを3Dデータとして永続的に保存。新人教育や翌年の計画立案の貴重な資料として活用できます。


3️⃣社内研修・共有

複数拠点を持つ企業において、ベストプラクティスの共有や新入社員の事前研修に活用。実際に訪問する前に空間を理解することで、研修効果が向上します。

業務効率化の具体的な成果

導入企業からは「想像以上に幅広い場面で活用できている」という声が多く聞かれます。マーケティング部門だけでなく、営業、施設管理、人事など、様々な部署がそれぞれの目的でMatterportデータを活用することで、組織全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進にも寄与しています。初期投資は、多面的な活用により短期間で回収できるケースが大半です。

導入から活用までのステップ

目的の明確化

集客強化、業務効率化、デジタルアーカイブなど、導入の主目的を明確にします。複数の目的がある場合は優先順位をつけましょう。

撮影範囲の決定

まずは最も魅力的なエリアや優先度の高い空間から始めることをお勧めします。段階的な拡大も可能です。

撮影・データ作成

専門のオペレーターによる高品質な撮影と、AIによる自動処理で3Dモデルを作成します。通常2-3日で完成します。

Webサイト統合

既存のWebサイトやSNSに簡単に埋め込むことができます。QRコードでの共有も可能です。

効果測定・改善

閲覧データを分析し、ユーザーの関心ポイントを把握。継続的な改善とコンテンツの拡充を行います。

成功事例に学ぶ活用のポイント

小売店舗の季節展開

大型インテリアショップでは、春夏秋冬それぞれのディスプレイをMatterportで記録。オンライン顧客は季節の変化とともに更新される店内を楽しみにリピート訪問するようになり、来店頻度が1.8倍に増加しました。

リゾートホテルの予約促進

全室オーシャンビューを謳うホテルが、各部屋タイプからの実際の眺望をMatterportで公開。「期待通りの景色」という安心感から、高層階・高額プランの予約が35%増加しました。

大学のグローバル募集

英語・中国語・韓国語対応のバーチャルキャンパスツアーを公開した大学では、留学生の出願が前年比2.4倍に。特にアジア圏からの問い合わせが急増しました。

これらの成功事例に共通するのは、「顧客が本当に知りたい情報」を「顧客が好きなタイミングと方法で」提供している点です。一方的な情報発信ではなく、ユーザー主導の情報探索を可能にすることが、高い成果につながっています。

「体験」を武器にする時代へ

「来場してから魅力を伝える」のではなく、「来場前にファンになってもらう」——これが、これからの時代のマーケティングにおける基本戦略となります。

物理的な距離や時間の制約を超えて、貴社の空間の持つポテンシャルを余すことなく伝えるMatterportは、これからの時代のプロモーションにおける強力な武器となるでしょう。デジタルとリアルの境界を曖昧にし、オンライン上でも深い体験価値を提供することが、顧客との信頼関係構築の新しい形となっています。

まずは、魅力的な客室、こだわりの売場、象徴的なキャンパスエリアなど、小さな範囲からその効果を実感してみませんか?一度体験すれば、その可能性の大きさに驚かれることでしょう。

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  • 記事を書いた人
    皆川要

    外資系3次元測定器メーカーFAROにて法人営業を担当後、3Dソリューション営業の経験と知識を活かし、ファクトリー・イノベーション株式会社を設立。建設業・製造業・不動産などのDXを具体的な形で提案しています。

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